名古屋市障害者差別相談センター センターニュース 第9号 発行月、 令和2年5月 センターの新型コロナウイルス感染拡大防止対応について 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面のあいだ、下記のように対応させていただいております。ご理解、ご協力をお願いいたします。 なお、時間や連絡先等、下記以外についての変更はありません。 相談方法:電話・メール・FAXによる相談は従来どおり。ただし、面接(来所)相談は、電話等によることが困難なかたのみ。 出前講座:実施見合わせ。今後の予約申込のみ。 令和がん年度 市民講演会 開催報告 令和2年2月11日(祝日・火曜日)、なか区役所ホールにて、市民講演会を開催し、491名のかたにお越しいただきました。 第1部では、まずダウン症の書家として活躍中のかな澤翔子さんによる席上揮毫が行われ、躍動感あふれる力強いパフォーマンスで「飛翔」という文字を書きあげられました。 続いて、母の泰子さんによる講演が始まりました。泰子さんは41歳で翔子さんを授かったのですが、医師からダウン症と診断され、一時は絶望に暮れる日々だったそうです。翔子さんは5歳から書道を始め、「20歳になったら個展を開こう」と言っていた亡き夫の言葉を支えに二人でがんばってきたというお話にとても感動しました。 第2部では、名古屋てをつなぐ育成会「なごやキャラバン隊やろまいか」の皆さんによる「知的・発達障害擬似体験」や「寸劇」を通して、知的障害や発達障害の「障害特性」や「困り感」について、わかりやすく理解を深めることができました。 当日ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。また、当日満席のためご入場いただけなかったお客様には、深くお詫び申し上げます。 皆さんはどう考えますか? 令和2年3月、社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合のホームページに以下のような掲載がありました。(http://nichimou.org/notice/200313-jimu/) 「一般市民から寄せられた駅ホームでの出来事を通して考える」 なくならない駅ホームからの視覚障害者の転落事故について。 過日、本連合に対して、一般市民の人から、都内のある鉄道駅のホームでの出来事について、匿名で電話がありました。その内容は次のようなものでした。 「ホームにいた通行人が、線路に転落しそうになった視覚障害者に気付いて、とっさに抱きかかえたところ、助けようとした通行人が、逆に視覚障害者から怒鳴られた。その光景を見て、その場に居合わせた別の人が、『ありがとう』の一言があってもいいのではと、その視覚障害者に注意した。」 電話をしてくれたかたは、このような態度をとる視覚障害者が一人いると、皆さんにとって、手助けしてくれる人が減ってしまうのではないかと思ったそうです。 1. 視覚障害当事者の立場に立って考えると、突然抱きかかえられて、動転し、気を取りみだしたに違いありません。それがこのような「怒鳴る」という行為に繋がったのかもしれません。 であるとしても、極めて残念な結果であり、遺憾であると言わざるを得ません。 2. このような光景は、助けようとした人だけでなく、周囲の人から見ても、視覚障害者に対する声かけサポートを躊躇することにもなりかねません。その意味で、電話をくださった市民のかたには感謝いたします。 3. 鉄道を利用する視覚障害者は、日常的に利用しているところであっても、危険な場面に遭遇することが多々あります。視覚障害者の駅ホームからの転落を防止するためには、鉄道事業者による物理的設備だけでなく、声かけサポートのような、一般市民等によるじんてきな支援が欠かせません。これらがあいまって、視覚障害者は、安心・安全で、より快適に鉄道を利用することができます。 4. 私たち視覚障害当事者は、周囲からサポートがあった場合、心からの感謝の気持ちを「ありがとう」の態度で表明したいものです。同時に、一般市民の皆様にも、私たちが安全に交通機関を利用できるよう、引き続き、サポートをお願いします。 これまで、鉄道利用に関するご相談は、センターにも多数寄せられています。その中には、「転落事故防止が目的であることは理解できるが、電車を利用する際、駅係員の声かけや見守りがあまりに過剰だと逆にストレスを感じる。」といった障害のあるかたからのご意見もありました。 サポートする側とサポートを受けるがわそれぞれに、無視することができない理由や想いがあるこのような場面において、お互いが不快にならないようにするためにはどうすると良いのか、みなさんはどのように考えますか。 名古屋市障害者差別相談センター 出前講座 市民の皆さんや企業の皆さんに『障害者差別解消法』に関する知識や理解を深めていただき、障害のある人もない人も理解し、尊重し合いながら誰もが安心して暮らせるまちをめざします。 対象: 原則市内の企業・団体・グループ・福祉事業者など(5名以上) 費用: 講師派遣にかかる費用(講師料、交通費等)は無料 (ただし、会場経費はご依頼者様の負担となります。) 時間: 60分〜90分程度(内容、時間などご相談に応じます) 申込方法: 開催希望日の1か月前までに電話、FAX、メール、郵送、来所 いずれかの方法でお申込みください。 ホームページから申込書のダウンロードも可能です。 URL:httpコロンスラッシュスラッシュなごやハイフンさべつそうだんドットジェイピー   申込・問合せ先: 名古屋市障害者差別相談センター  令和元年度は、主にこのような内容で実施しました! ■ 障害者差別解消法、名古屋市障害者差別解消推進条例のポイント ■ センターに寄せられた相談事例の紹介 ■ 事例検討(グループワーク)で学ぶ障害者差別 令和がん年度 センター活動実績 ? 相談 令和がん年度にセンター及び地域の相談窓口に寄せられた相談は合計273件で、そのうち差別相談は48件、そのた相談が192件、広報啓発が33件でした。 障害種別としては、身体障害のあるかたからの差別相談が33件と最も多くありました。一方で、知的障害のあるかた(3件)や精神障害のあるかた(7件)からの件数は少ないですが、差別を受ける機会が決して少ないわけではありません 声をあげにくいかたの困っている声をどのように拾い上げていくか、センターの課題と捉えて、積極的に出向いてお話を伺うなど様々な取り組みを考えていきたいと思います。 ● 出前講座 実施件数37件、参加者数2,198人 福祉サービス事業者や一般事業者の他、当事者団体や地域関係団体等の皆さんに受講いただきました! ● 障害者差別「地域の相談窓口」従事職員向け研修 第1回/第2回:「障害者差別解消法」 講師:放送大学 おおそね教授他 第3回:「名古屋法務局における人権相談」 講師:名古屋法務局職員 「障害者雇用促進法と障害者差別に関する相談」講師:愛知労働局職員 第4回:知的障害者擬似体験と対応事例の寸劇「こんなときどうする?」 講師:名古屋てをつなぐ育成会「なごやキャラバン隊やろまいか」 第5回:「知的障害のある人のコミュニケーション特性と面接スキルを学ぶ」 講師:社会福祉法人樫の木福祉会、かしの木の里、野崎施設長 第6回:「名古屋市障害者差別解消推進条例に関するガイドブックについて」 講師:名古屋市障害福祉部障害企画課職員他 ◎このニュースへのご意見・ご質問など、ぜひお寄せください!E-mail inclu@nagoya-sabetsusoudan.jp