名古屋市障害者差別相談センターセンターニュース14号 発行づき 令和4年11月 発行者 名古屋市障害者差別相談センター 連絡先 名古屋市北区清水4の17の1 名古屋市総合社会福祉会館5階 電話 052−856−8181 FAX 052−919−7585 Email inclu@nagoya-sabetsusoudan.jp URL https://nagoya-sabetsusoudan.jp 国連の障害者権利委員会での建設的対話と勧告を受けて 障害者権利条約の批准から8年、国連障害者権利委員会の初めての建設的対話(対日審査)が行われ、9月には総括所見と改善勧告が公表されました。条約24条「教育」においては、すべての教育段階において、合理的配慮と、必要な個別的支援を受けられることを保障するために、質の高いインクルーシブ教育に関する具体的な目標、スケジュール、充分な予算を含めた、国家行動計画を採用するよう勧告されています。 当センター開設以来、受けた差別相談のうち、約10%は「教育」に関する相談です。法の整備や制度の充実が図られてはきたものの、その相談内容からは、個々の児童・生徒、保護者の要望に十分な対応がなされていない状況も見受けられます。当センターでは、今後も障害者差別解消に向けて、常に問題意識を持ちながら、相談者に寄り添った対応を心がけていきたいと思っています。 現地でのブリーフィングに参加された田中伸明弁護士にコメントをいただきました。 「多様性のある社会を作る」という言葉をよく耳にするようになりました。言うまでもなく、この社会には様々な人が様々な事情で暮らしています。人種、性別、言語、宗教、年齢、障害の有無、経済的事情など、それぞれ異なっています。「多様性のある社会を作る」ということは、このように様々な立場にある人々が、それぞれの違いを尊重し、認め合う社会を作ることを意味します。そのためには、私達一人一人が子どもの頃から、社会には様々な人々が暮らしていることを知っておく必要があります。その理解を進める役割を担うものが教育なのです。同じ教室の中に、障害のある子も障害のない子もいて、ともにクラスメイトとして成長していく。そのような環境でこそ、障害の有無に関わらず、お互いを尊重し合う心が育っていくのだと思います。ともに学ぶことが、ともに働き、ともに生きる社会作りを推し進めることになることを、社会全体で共有することが必要だと思います (2ページ) 名古屋駅タクシー乗り場現地調査について 令和4年10月18日午後、名古屋タクシー協会にお声掛けいただき、名古屋駅のタクシー乗り場の現地調査に立ち会わせていただきました。 名古屋駅の西口と東口のタクシー乗り場は、兼ねてからスペースが十分とれないことや、一般車両と混雑するため、車いすユーザーがUDタクシーにスムーズに乗車できない状態になっています。また乗降が困難な環境となっていることでドライバーが乗車をお断りする要因にもなっており、名古屋のタクシー業界としての懸案事項でもありました。  名古屋駅周辺の再開発に伴い、タクシー乗り場も車いすユーザーの乗降がしやすいよう整備される予定です。しかし、再開発まではまだ時間がかかるため、その間も今の環境の中でもできることはないかを検討するための調査でした。  この調査にはタクシー協会だけでなく、名古屋市の所管部局や関連企業、障害当事者のかたが参加され、タクシーをどのように停めたら乗降がスムーズになるかなど、一般車両や通行人への影響などを見極めながらの調査となりました。 現状としてできることは少ないかもしれませんが、今回の調査により課題も見えてきたため、今後、解決のために事業者どうしでの話し合いを進めていかれることとなりましたので、今後の動向に注目したいと思います。 (3ページ) 企業向けセミナー 開催報告  令和4年11月21日(月)にセンター初の試みである、民間事業者を対象としたセミナーを開催いたしました。セミナーはハイブリッド形式で、来場参加者9名、オンライン参加者34名のかたにご参加いただきました。このセミナーは、令和3年5月の障害者差別解消法改正により、民間事業者においても、合理的配慮の提供が、現行の努力義務から義務に変更になることを受け、法について正しく認識していただき、現場の対応に役立てていただくことを目的に開催しました。  第1部の「障害者差別解消の取り組み」については、センターの紹介、相談・調整方法など、事例を交え説明しました。第2部の「義務化される合理的配慮に対して企業が取るべき対応とは」では、愛知県弁護士会の川瀬あさ絵さんより、弁護士としての観点から、法のポイントや民間事業者が取るべき対応を、わかりやすい言葉で丁寧に説明いただきました。第3部は、視覚障害当事者である小池恭子さんから、お店での経験談をもとに、障害当事者が日ごろ感じる接客対応に関して、お話しいただきました。また、環境整備の側面について、事例をあげてセンター職員から説明いたしました。2時間という限られた時間で、多様な内容を盛り込んだセミナーとなりました。 参加された方々には、「当事者の声や判例が聞けてわかりやすかった」、「当事者家族やご本人の話が、合理的配慮に対してとても説得りょくがあり、充実した時間でした」、「とても勉強になりました」というご意見をいただきました。 民間事業者にはまだまだ認知度が低いと感じる、「障害者差別解消法」ですが、サスティナブル社会や、心のバリアフリーが推進される中、企業として最適な接客対応を知ることは、今後の企業運営やサービスの向上に必要不可欠と考えます。今後もセンターでは民間事業者様の理解を推進し、障害のある人もない人も、安心して共に暮らせるまち、なごや、を目指して取り組んでいきたいと思います。 (4ページ) 市民講演会のご案内 と き、令和5年3月4日(土) 午後1時30分〜、3時45分 ところ、こじょうホール、(伏見ライフプラザ、5階) プログラム 第1部、講演:「障害者差別、障害者・高齢者虐待について考えよう」、 講師:田中伸明さん(弁護士、名古屋市視覚障害者協会会長) 第2部、講演:「発達障害は私にとってギフトでした!!〜発達障害落語家誕生〜」、 講師:柳家かろくさん(落語家) 申込み、令和5年2月3日(金)必着  上記QRコード・メール・はがきで申込み。応募多数の場合は抽選。 お願い、申込みは一人につき1回限り(3名まで申込み可) みんなで学ぼう!障害者差別解消講座 出前講座のご案内〜講師派遣します〜  市内の団体やグループ、企業などを対象に、障害の社会モデルや、障害者差別解消法の啓発として、出前講座をおこなっています。受講者に合わせた内容をご提案していますので、ぜひご活用ください。 おしらせ 障害者週間(12月3日〜9日)に合わせて、名古屋駅のスクエアビジョン広告にて【障害の社会モデル】と、【合理的配慮】についての啓発を行います! お時間のあるかたは、ぜひ足をお運びください。 期間、 12/5(月)〜1/1(日)、4週間 時間、 6:00〜24:00 場所、名古屋駅ない、2か所、(新幹線口、桜どおりぐち側地下通路) 新職員紹介 10月より新しく採用されました。少しでも早く、地域の皆様のお役に立てるよう 日々勉強に努めてまいります。よろしくお願いします。(相談員:鈴木) このニュースへのご意見・ご質問など、ぜひお寄せくださいませ! イーメール、 inclu@nagoya-sabetsusoudan.jp センターニュース第14号のテキスト版は、センターホームページに掲載しています。