名古屋市ばん、トヨタジャパンタクシー 車いす乗車ガイド 〜車いすユーザー・タクシー事業者に知ってほしいこと〜 発行 名古屋市・名古屋市障害者差別相談センター、名古屋タクシー協会 協力 社会福祉法人名古屋市身体障害者福祉連合会 愛知県重度障害者団体連絡協議会 愛知県重度障害者の生活をよくする会 目次 1、トヨタ ジャパンタクシーについて、1ページ 2、乗車の方法について (1)車いすに乗ったままで前向きで乗車する場合、2ページ (2)タクシーの座席に移乗して乗車する場合、3ページ (3)その他、車いすに乗ったままで横向きで乗車する場合など、4ページ 3、乗車依頼時(予約・配車受付時)のチェックポイント (1)車いすユーザー向け 乗車依頼時チェックリスト、7ページ (2)チェックポイント及び解説、8ページ (3)タクシー事業者向け、予約・配車受付時フロー図(モデル)、10ページ 4、今後に向けて、12ページ 「トヨタジャパンタクシー車いす乗車ガイド」作成の経緯 車いすのままでも乗車できるよう開発されたユニバーサルデザイン(UD)タクシー「ジャパンタクシー」を、まちなかで見かける機会が増えてきました。 一方で、ジャパンタクシーに車いすユーザーが乗車する際に起きるトラブルは全国的な課題にもなっており、名古屋市内でも同様のトラブルが度々発生しています。これを受けて、国がタクシー事業者に通知をはっしゅつしたり、トヨタ自動車も車両の改良を行うなど様々な改善策を講じていますが、残念ながら、乗車トラブルは依然としてなくなっていません。 そこで、課題の当事者であるタクシー事業者(名古屋タクシー協会)と車いすユーザー(障害当事者団体)、名古屋市及び名古屋市障害者差別相談センターの四者が、令和元年10月から約1年間、同じテーブルを囲み、乗車トラブル防止に向けた建設的な話し合いを重ねてきました。この乗車ガイドは、その話し合いの成果です。 これを車いすユーザーとタクシー事業者の名古屋市ばん共通ルールとして活用していただき、多くのみなさまが乗車トラブルなく、安心かつ安全にジャパンタクシーに乗車いただきたいと考えています。 ・本文中では、「トヨタ、J P N TAXI」を「ジャパンタクシー」と表記しています。 ・本書作成にあたり、トヨタ自動車株式会社より画像データ等情報提供のご協力をいただきました。 1ページ 1、トヨタ ジャパンタクシーについて  ジャパンタクシーは、車いすユーザーや高齢者、ベビーカーをもったかたなどが利用しやすい構造となっているユニバーサルデザイン(UD)タクシーに該当する車種の1つです。これまでのセダン型にかわり、順次導入が図られています。 車両の特徴 ・国土交通省のユニバーサルデザインタクシーの認定を受けています。車いすのまま乗車する場合、スロープを設置するための作業やスペースの確保など、セダン型タクシーや後ろからスロープ乗車するタイプの車種とはその取扱いが異なります。 ・助手席を折りたたみ、後ろの席の座面を上げることで車いすのまま乗車できます。車いす乗降用スロープにより、車道に出ることなく車両側面からの安全な乗車が可能です。 乗降方法 ・車いすのまま乗降する場合、状況により異なりますが、スロープ設置、車いす固定、シートベルト着脱等の作業時間が10〜15分程度かかります。そのため、駐車が可能な場所へ移動して乗降を行う場合があります。 ・トヨタ自動車のWEBサイト【https://toyota.jp/jpntaxi/】では、利用可能な車いすのサイズの他、動画を用いて車いす乗降手順もわかりやすく紹介されています。 ・スロープ使用じ、歩道じょうでは約1.8メートル、平地では約2.5メートルのスペースが必要となります。 配車 ・令和2年3月末現在、愛知県内にあるタクシーおよそ8,400台のうち、ジャパンタクシーは約1,000台と全体の1割程度です(愛知運輸支局調査登録台数 東京に次いで全国第2位の導入台数)。 ・そのため、近くに配車可能なジャパンタクシーがいないときは、配車に時間を要する場合があります。  2ページ 2、乗車の方法について 車いすユーザーがジャパンタクシーの利用を希望する場合、次のような乗車方法が考えられます。 (1)車いすに乗ったままで前向きで乗車する場合 (2)タクシーの座席に移乗して乗車する場合 (3)その他、車いすに乗ったままで横向きで乗車する場合など 乗車の方法は、(1)(2)が原則です。いずれの方法でも乗車できない場合は(3)を確認してください。なお、前向き・横向きどちらの乗車方法も不可な場合があります。 (1)車いすに乗ったままで前向きで乗車する場合(前向き乗車)  ジャパンタクシーは、車いすのまま乗車する場合、前向きで乗車することを前提に設計・開発されています。そのため、特に事故時の受しょう防止、安全確保の観点から、車内で前向きに転回可能な車いすユーザーについては、前向き乗車・シートベルト着用が原則となります。 ・下記寸法ないであっても、車いすの形状・回転性能によっては前向きで乗車できない場合があります。 ・サイズ(車いすユーザーを含む) 長さ:120cm以内、高さ:130cm以内、幅:70cm以内 ■サイズ(形状)について ・車いすユーザーを含む長さが120cmを超える場合は、車内で転回できないため、前向き乗車はできません。 ・車いすユーザーを含む高さが130cmを超える場合は車の天井に接触する恐れがあるため、また、幅が70cmを超える場合はドア開口幅を上回るため、車いすのままでの乗車はできません。 ■重量について ・スロープの許容重量を超える場合は、乗車できません。 ・許容重量は、車いす、車いすユーザー、荷物、スロープじょうで介助するかたの総重量となります。 ・車両に貼られているUDステッカーの色により、許容重量が異なります。 緑色の車両、許容重量200s(大半がこちら) ピンク色の車両、許容重量300s 3ページ ■その他、前向き乗車できない可能性のある車いす ・一部の海外製電動車椅子 ・スポーツ用車いすなどの車輪に角度のついている車いす ・タイヤに泥除けなどが装着されており、シートベルトを通すスペースのない車いす など (2)タクシーの座席に移乗して乗車する場合 従来のセダン型と同様に、座席に移乗し、車いすをトランクスペースに収納して乗車することも可能です。 車いすを折りたたんだ際の寸法が、下記のサイズ以内であればトランクスペースに収納可能となります。 ・サイズ 長さ:105cm以内、高さ:90cm以内、幅: 35cm以内 【参考】、車いすの種類やサイズについて 車いすには、じそう用・介助用車いす(約10〜13s)や車いす使用者に合わせてオーダーメイドで製作するタイプ、電動車椅子など様々な種類があり、サイズも個々に異なります。 ・乗車の可否は、車いすの種類やサイズだけではわかりません。車いすユーザーが車いすに乗車した状態の全体寸法等をもとに判断します。 ・スロープ利用じは、後方に転倒する恐れがあります。安全のため、必ずサポートのもとご乗車ください。 電動車椅子:寸法:長さ98p、高さ93p、幅62.5p、重量100kg、重いため乗降介助は難しい 簡易電動車椅子:寸法:長さ103.5p、高さ88p、幅64p、重量31kg、多くは前向き乗車が可能 リクライニング機構のあるタイプ:寸法:長さ109p、高さ109p、幅69p、重量23kg、長さ・高さ注意必要 ・上記記載のサイズ等はあくまでも一例です。(出典:日進医療器株式会社) 4ページ (3)その他、車いすに乗ったままで横向きで乗車する場合など 上記(1)前向き乗車、(2)移乗のいずれの方法でも乗車できない車いすユーザーの場合は、こちらを確認してください。 車両特性・乗車方法 ・前述のとおり、車いすのままでの乗車は、前向き乗車を前提に設計・開発されており、車内で前向きに転回しないままで進行方向に対し横向きで乗車すること(横向き乗車)は想定されていません。 ・横向き乗車時用に「車いすを固定する装置」及び「シートベルト装置」は、設置されていません。 そのため車いすを確実に固定できないだけでなく、車両に設置された3点式シートベルトを装着できないまま乗車することとなり、身体状況によってはブレーキやう左折時でも、車いすから滑り落ちたり、転落するおそれがあります。 ・横向き乗車は、通常の乗車方法と比較し、安全上劣る(受しょう・重症化リスクが高い)乗車方法となります。そのため、前向き乗車、移乗が困難なかたについては、ジャパンタクシーの利用を積極的におすすめできません。福祉タクシー(リフト付タクシーなど)の利用をおすすめします。 ・車いすユーザーを含めた長さが139.5pを超える場合には横向き乗車も不可となります。 @、ジャパンタクシーへの横向き乗車 道路交通法上、横向き乗車時にシートベルト非着用でも、違反にはなりません。しかし、シートベルト非着用じは、着用じに比べて、事故の際の受しょう・重症化リスクが高まります。 ・横向き乗車時のシートベルト着用については、国土交通省から通知がはっしゅつされています。 令和元年11月19日付け 国土交通省通達「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施の徹底について」(こくじりょ第191号の2) UDタクシーの「車椅子を固定するための空間と設備」が道路運送車両の保安基準上の「座席」には該当せず、当該乗車行為において道路交通法第71条の3第1項及び第2項に規定する座席ベルトの装着義務の対象に該当しないほか、当該空間と設備は「座席に準ずる装置」に該当し、同法第55条第1項の「乗車のために設備された場所」と解され、車いすを自動車に固定しないとしても同項違反とならない。 ・通常の座席使用時のデータのため、あくまでも参考データとなりますが、シートベルト非着用じは、着用時に比べて、後部座席同乗中の交通事故の際の致死率が一般道路では約3.3倍、高速道路では約11.7倍高くなるという数字が挙げられています。事故の際には、後部座席乗客自身が体を強く打ちつけたり、車外に放出されるといった危険性が高まります。また、前の席の乗務員にケガを負わせてしまうなどのおそれがあると示されています。 ・警察庁統計資料(令和2年2月)「令和元年における交通死亡事故の発生状況等について」 ・車いすの不完全な固定、シートベルト非着用での乗車は、車いすユーザー自身や同乗者、乗務員にも危険が及ぶ可能性があることを理解の上、乗車方法の選択・判断をする必要があります。 5ページ 横向き乗車時に事故が生じた際の乗客にかかる補償の範囲や過失責任の有無等について、明確になっていません。 ・道路交通法第71条の3第2項では、運転者には、後部座席に乗車する者についてもシートベルトを装着させる義務が定められています。つまり、後部座席乗車時のシートベルト着用は義務となっています。これに反して、「シートベルトの着用をしなかった乗客」がタクシー乗車中に事故に遭遇し、受しょうした場合、シートベルト装着義務違反として「その乗客にも過失がある」とみなされ、その結果「過失相殺」の対象となり損害賠償額が減額された、という判例があります。 ・前向き乗車と比べ安全上劣る(車いすの不完全な固定、シートベルト非着用となる)ことを理解した上で横向き乗車を選択した車いすユーザーが、実際に受しょうした場合、事業者や車いすユーザーにどのような責任が発生するか、過去に判例もなく判断できないのが現状です。  ・このように、車いすユーザーは、横向き乗車時に事故が生じた際の補償・過失責任について課題があることを理解の上、乗車方法の選択・判断をする必要があります。なお、理解・同意の記録として、説明はドライブレコーダーがある車内で行います。 「横向き乗車」を行う場合、タクシーの乗務員・事業者にリスクが伴います。 ・タクシーの乗務員・事業者にとって、安全に目的地まで乗客を運ぶ、いわゆる安全な運行は、最優先に取り組むべきこととされています。 ・また、人を運ぶプロであるタクシーの事故に対するペナルティは他業種と比べても厳しく、乗務員が安全な運行を心掛けていたとしても、結果として乗客が乗車中に受しょうしてしまった場合、一定期間乗務禁止となるなど厳しい行政処分がタクシーの乗務員・事業者に課されるおそれがあります。 安全確保のため、通常とは異なる運行となります。(名古屋市ばんの独自のルール) ・横向き乗車時に使用できるシートベルトがありません。そのため、身体と車いすを固定するベルトの使用など、走行中も安定した座位を保持できるよう車いすユーザー自身もできる限りの安全対策をおこなってください。 ・身体と車いすを固定するベルトを使用したとしても、シートベルトを代替しその着用義務を果たしたり、安全性を担保するものではありません。 ・安全上、劣る乗車方法であることから、原則、通常時よりも低速での走行(時速40q以下)となります。 ・このように、タクシーの乗務員・事業者にとっても安全上劣る「横向き乗車」はリスクを抱える乗車方法であることから、乗客自身による安全確保対策や低速走行など通常と異なる対応となることについても、車いすユーザーは理解の上、乗車方法の選択・判断をする必要があります。 6ページ 横向き乗車時の留意点 ・通常の乗車方法と比較し、安全上劣る乗車方法となります。また、前向き乗車・移乗が可能なかたは、横向きで乗車することはできません。 安全な移動には、福祉タクシーの利用をおすすめします。 ・生じるリスクについて、説明(理解)をしてください。 横向き乗車は、受しょうや事故が生じた際の重症化リスクの他、補償・過失責任に関するリスクなどがあり、乗客が不利益をこうむる可能性があります。これらについて、発車前に乗務員からドライブレコーダーのある車内で説明を行います。 ・安全確保のため、通常とは異なる運行となります。 身体と車いすを固定するベルトを使用するなど、車いすユーザー自身もできる限りの安全対策をおこなってください。 原則、低速での走行となります。 上記留意点について、乗客(車いすユーザー)が理解・納得できない場合や、安全の確保や受しょう防止が明らかに困難な場合は、横向き乗車はできません。 A、福祉タクシー(リフト付タクシーなど)の利用 ・ジャパンタクシーでは前向きに乗車できないサイズの車いすであっても確実に固定でき、乗客(車いすユーザー)がシートベルトを装着できるなど、横向き乗車と比べ、安全に配慮し乗車することが可能です。 ・名古屋交通圏には、福祉輸送対応の専用車両を保有しているタクシー会社が約50社あります。 ・名古屋市では、重度身体障害者リフト付きタクシー利用助成や、重度身体障害者リフトカー運行事業など、公共交通機関や一般タクシーの利用が困難な重度身体障害者向けの制度があります。 福祉車両、車いす仕様車、リフトタイプ、画像はトヨタ ハイエースの福祉車両 福祉車両、車いす仕様車、スロープタイプ、画像はトヨタ ノアの福祉車両 7ページ 3、乗車依頼時(予約・配車受付時)のチェックポイント (1)車いすユーザー向け 乗車依頼時チェックリスト 配車希望の日時、乗車希望する場所 1、乗車人数 車いすユーザー人数、同乗者人数、うち乗降補助できる介助者人数 2、車いすのままでの乗車経験 1、あり(前向き乗車回数、横向き乗車回数)、2、なし 3、座席への移乗 1、単独でできる、2、介助者によりできる、3、乗務員による介助を希望、4、できない・希望しない 4、車いすの折りたたみ(移乗の場合) 1、折りたたみ可、2、折りたたみ不可 5、車いすの積み込み(移乗の場合) 1、単独でできる、2、介助者によりできる、3、乗務員による介助を希望、4、できない・希望しない 6、車両の希望 1、特になし、2、ジャパンタクシー希望 7、車いすに乗車した状態でのサイズ  1、長さ、2、高さ、3、幅、4、重さ ・車いすに乗ったまま前向き乗車( できる ・ できない ) ・座席への移乗・トランクスペースへの収納( できる ・ できない ) ・車いすに乗ったまま横向き乗車( できる ・ できない ) 8、横向き乗車の希望 1、希望しない(福祉タクシー利用をおすすめ) 2、希望する(安全上のリスク等留意事項あり) 9、乗降しゃじのスロープ設置スペース ・乗車じ、1、可能なスペースあり、2、わからない ・降車じ、1、可能なスペースあり、2、わからない 【ジャパンタクシー利用における留意事項】 ・ジャパンタクシー車両指定での配車には時間がかかる場合があります。 ・スロープ使用じは、乗務員が、移乗や車いすの積み込みは、原則、本人または介助者が行います。(介助者不在じは、配車依頼時にご相談ください。) ・スロープ使用じは一定のスペースが必要となるため、指定場所から離れた場所での乗降となる場合があります。 ・車内で前向きに転回可能な車いすユーザーは、原則前向き乗車・シートベルト着用となります。 横向き乗車は、前向き乗車または移乗ができないかたに限ります。また、リスクを伴う乗車方法のため慎重に判断してください。 8ページ (2)チェックポイント及び解説 ジャパンタクシー利用にあたり、乗車方法等を確認するために必要となる項目です。車いすユーザーにとっては、乗車依頼をする際に伝えるべき項目であり、タクシー事業者にとっては、予約・配車受付時に確認すべき情報となります。 ポイント1の@、乗車人数について、車いすユーザー人数、同乗者人数 解説、総乗車人数により必要な配車台数等を確認します。 ポイント1のA、乗降を補助できる介助者の有無、1、あり(介助者人数)、2、なし 解説、移乗や車いすの後部トランクスペース内への収納は、原則本人または介助者が行います。なお、介助者が不在の場合や介助者による乗降取扱いが危険と判断した場合は、乗務員が乗降介助を行います。 ・車いすのまま乗車する際(スロープ使用時)の介助は乗務員が行うことを原則とします。 ・ただし、乗務員が高齢者や女性の場合などの理由により必要な介助を行うことが困難な場合は、あらためて対応可能な乗務員の配車を調整することとなるため、通常よりも時間がかかる場合があります。 ・乗務員による補助の範囲は乗降にかかる部分のみとなっており、車両乗降前後の自宅内等への移動については、原則ご自身または介助者にて対応してください。 ポイント2、車いすのままでのジャパンタクシーへの乗車経験について 1、あり、前向き乗車回数、横向き乗車回数、2、なし 解説、ジャパンタクシー乗車経験がある場合は、乗車方法を確認します。 ポイント3、座席への移乗について 1、可能かつ希望する、単独移乗、介助者による介助、乗務員による介助、2、不可能または希望しない 解説、「スロープ」を使用することなく車いすから座席に移乗して使用することも可能です。 ・単独もしくは介助者による補助により座席に移乗できる場合、かつ、車いすが後部トランクへ収納が可能な場合には、セダン型タクシーの配車も可能です。 ポイント4、車いすの折りたたみ、1、折りたたみ可、2、折りたたみ不可 解説、移乗に際し、車いすのトランクスペースへの収納可否について確認します。 ・移乗によりジャパンタクシーに乗車する場合は、ご利用の車いすは通常、後部トランクスペース内に折りたたんで収納します。 ・折りたたみ後のサイズは長さ105p・高さ90p・幅35p以内が目安です。 ポイント5、車いすの積み込みについて  1、可能、単独積み込み、介助者による積み込み、乗務員による積み込み、2、不可能または希望しない  解説、移乗に際し、車いすの積み込みについて確認します。 ・介助者がいる場合は基本的にそのかたが行います。 ・介助者が不在の場合や介助者による積み込みが危険と判断した場合は、乗務員が行います。ポイント1のA 参照 9ページ ポイント6、車両の希望について、1、特になし、2、ジャパンタクシーを希望 解説、移乗による乗車可能なかたについて、車両の希望を確認します。 ・近くに配車可能なセダン型タクシーがいるときは、ジャパンタクシーよりも早い配車が可能な場合があります。(ジャパンタクシーは導入台数に限りがあり、配車に時間を要する場合があります) ポイント7、車いすに乗車した状態でのサイズ(長さ、高さ、幅、重さ)について 解説、車いすのままでジャパンタクシーに乗車が可能なサイズ、重量かを確認します。 ・車いすで前向き乗車可能なサイズは、長さ120p・高さ130p・幅70p以内です。 ・上記を超える場合は、ポイント8 参照 ・横向き乗車の場合、長さは車両室内幅の139.5p以内となります。              ・スロープの許容重量は200kg(UDステッカーピンクの車両は300s)です。 ・許容重量は、車いす、車いすユーザー、荷物、スロープじょうで介助するかたの総重量 ポイント8、前向き乗車・移乗による乗車ができないかたについて 1、福祉タクシー(リフト付タクシーなど)、 2、横向き乗車を希望  解説、4ページ「2の(3)その他、車いすに乗ったままで横向きで乗車する場合など」をご確認ください。 ・福祉タクシー(リフト付タクシーなど)の利用をおすすめします。 ポイント9、乗降しゃじのスロープ設置可能なスペースについて 1、設置可能  2、設置可否不明 解説、乗降希望場所の広さや路面の勾配、交通量、天候など個別の状況によって、そこでのスロープ設置可否は異なります。安全な場所で乗降をおこなってください。 ・交差点内やバス停から半径10メートル以内など駐停車禁止の場所でのタクシーの乗降については、スロープ設置の有無に関わらず道路交通法違反となることから、行えません。 ・乗降希望場所で安全にスロープ設置ができない場合は、安全に乗降できる駐停車可能な場所へ移動し乗降を行うため、希望する場所とは異なる場合があります。 ・スライドドアは車体左側のみのため、車体左側スライドドアから車両への乗降をします。車体左側に、スロープを設置するスペース及び車いす乗降するためのスペースとして「歩道上:約1.8メートル、平地:約2.5メートル」が必要です。 ・スロープ設置作業は、乗車じは概ね15分、降車じは概ね10分程度必要です。 10ページ、11ページ (3)タクシー事業者向け 予約・配車受付時フロー図(モデル) 省略 12ページ 4、今後に向けて この乗車ガイドでは、例えば、「どんな車いすなら乗せられるのか?」「安全に乗車できる方法は?」「私はどうしたらジャパンタクシーにのれるのか?」など、車いすユーザー、タクシー乗務員及びタクシー事業者が抱えている乗車トラブルを引き起こす要因となる疑問や認識の違いなどを整理し、車いすユーザー・タクシー事業者に知ってほしいこととして示しました。 また、ジャパンタクシーの車両特性の他、名古屋エリアの道路事情や導入台数など取り巻く環境をふまえ、名古屋市内の当事者(タクシー事業者・車いすユーザー)が話し合い、とりまとめた『名古屋市ばん』の乗車ガイドとなっていることが特徴です。法的拘束りょくはありませんが、名古屋市内でジャパンタクシーに乗車するときの当事者間の共通ルールとなるよう作成しました。 なかでも4〜6ページでは、横向き乗車の安全性・危険性が明確になっていない現状において、安心・安全にタクシー乗車をすすめるために整理した「横向き乗車についての考えかた」を記載しています。車いすユーザー・タクシー乗務員の双方が、「横向き乗車」により生じる安全上のリスク等を知り、そのうえで、「乗車の判断」や「車いすユーザー自身による安全対策」、「原則、低速での走行」を行うことについて、理解をお願いするものです。 まずは、より多くの車いすユーザーのみなさま、そしてタクシー乗務員のみなさまが、この乗車ガイドを共通ルールとして運用し、ジャパンタクシーを活用する機会、乗車経験が増えていくこと、そして、それに伴ってこれまで以上にスムーズな乗降や適切な配車依頼・対応ができるようになっていくこと、を期待しています。 また、ジャパンタクシーへの乗車機会が増加していくことで、乗車ガイド作成時点では想定していなかった場面や、個別の状況により原則にそいがたいといった問題に直面することもあるかもしれません。その際は、乗車トラブルとしてではなく、今後に向けてよりよい方向に変えていくための機会として、ぜひ、建設的に話し合っていただきますよう、お願いいたします。 なお、本乗車ガイドは令和2年12月現在の情報をもとに作成しています。今後、国の新たな通知のはっしゅつや車両の改良など取り巻く環境の変化、また、みなさまからのご意見や利用実態などをふまえ、適宜見直しをおこなっていきたいと考えています。 【ご意見をお寄せください】 主に、車いすユーザーのかたは、・・・ 名古屋市障害者差別相談センター 〒462-8558、名古屋市北区清水4の17の1 総合社会福祉会館5階 電話(052)856-8181、FAX(052)919-7585 Eメール:inclu@nagoya-sabetsusoudan.jp 主に、タクシー事業者のかたは、・・・ 名古屋タクシー協会 〒466-855、名古屋市昭和区滝子町30の16 愛知県自動車会館 4階 電話(052)871-0601、FAX(052)871-8715 作成者・協力者からみなさまへメッセージ タクシー乗務員・事業者の方々へ  障害がある人にとって、ドアツードアで移動のサポートをしてくれるタクシーはとても重要な交通機関です。また、乗務員のかたが一人ひとりの乗客に合わせて配慮や声掛けをしていただけることで安心感を覚えます。 タクシーは、障害のある人にとって病院や買い物など生活に必要不可欠なサポートとなり、余暇活動等様々な社会参加の一助となります。これからも安心、安全に外出できるようサポートをよろしくお願いいたします。 (社会福祉法人名古屋市身体障害者福祉連合会) 今回、車いす乗車における課題解決に向けて、タクシー協会と協力しながら乗車ガイドの作成を行えたことをとても嬉しく思います。ジャパンタクシーの普及により、車いすから座席への移乗が困難な重度障害者でも、タクシーを移動手段として選択肢に加えられる時代になりました。今後、研修や実践の場において、この乗車ガイドが有効に活用され、タクシーがより身近な存在となり、重度障害者の社会参加に繋がることを期待しています。  (愛知県重度障害者団体連絡協議会) 私たちが待ち望んでいた、車いすのまま乗り降りできるジャパンタクシーが、名古屋のまち中を走る姿をたくさん見かけるようになり、大変嬉しく思います。 この乗車ガイドが有効に活用され、一人でも多くの車いすユーザーが一乗客としてジャパンタクシーに乗車し、いつでも行きたいところに行けるようになることをせつに願います。 (愛知県重度障害者の生活をよくする会)       車いすユーザーのみなさまへ 会員タクシー会社では、ジャパンタクシーのスロープ等の習熟研修に力を入れて取り組んでいます。また、名古屋タクシー協会では、新人乗務員登録講習において「ユニバーサルドライバー研修」を義務講習として、高齢者、障害者、妊産婦、子ども連れの方々への対応の教習を開催し、接遇レベルの向上にも力を入れているところです。 しかしながら、車いすのお客様がご利用の際、ご理解いただきたいことがいくつか残されているのが現状です。今後ともご利用者の皆様とともにジャパンタクシーの利便性の向上と普及を目指す所存でありますので、ご指導ご鞭撻とご理解の程併せてお願い申し上げます。 (名古屋タクシー協会) 車いすユーザー・タクシー乗務員・事業者のみなさまへ 障害のある人もない人も共に安心して暮らしやすいまち・なごやの実現には、市民・事業者のみなさまとともに、よりよい環境づくりに取り組むことが大切です。今回、車いすユーザー(当事者団体のみなさま)と事業者(名古屋タクシー協会様)のみなさまとの連携・協働により、ジャパンタクシーの乗車トラブル防止に向けたこの乗車ガイドを作成したことは、めざすまちづくりのひとつの形とも言えます。 この乗車ガイドが活用され、多くの障害のあるかたのタクシーの利用による移動の利便性が高まるとともに、障害や障害のある人への理解が深まることを期待しています。 (名古屋市・名古屋市障害者差別相談センター) 裏表紙 ジャパンタクシー車いす乗車ガイド(PDF版、テキスト版)は、名古屋市障害者差別相談センターのホームページからダウンロードできます。 名古屋市ばん、トヨタジャパンタクシー 車いす乗車ガイド 車いすユーザー・タクシー事業者に知ってほしいこと 初版:令和3年3月 【発行】  名古屋市、名古屋市障害者差別相談センター、名古屋タクシー協会 【この冊子に関するお問合せ先】 名古屋市障害者差別相談センター 〒462-8558 名古屋市北区清水4の17の1 総合社会福祉会館5階 社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 権利擁護推進部 電話(052)856-8181、FAX(052)919-7585 Eメール:inclu@nagoya-sabetsusoudan.jp 名古屋タクシー協会 〒466-8558名古屋市昭和区滝子町30の16 愛知県自動車会館 4階 電話(052)871-0601、FAX(052)871-8715